金魚愛好家の皆様こんばんは!
大事な金魚が松かさ病に罹ってしまうと本当に厄介で、重症化すると治療は困難とされます。ただ、初期なら初心者でも完治する場合もありますし、難しい病気だからと言って諦めずにトライするべきだと思います。
私ごときも巷で「こうすべき」とされることはやってきました。経験が少なく治療に対する考察などはできませんが、私なりの「やりやすい方法」も含めご報告したいと思います。
【松かさ病の症状・原因】
立燐病(りつりんびょう)とも言いますね。
《症状》
最初は身体が膨らんだ様に見え始め、数日で鱗が立ってきます。だんだん鱗の立ちが大きくなり松かさ(まつぼっくり)の様になってしまします。
身体の膨らみはなく鱗が立ってくるだけの場合もあります。
いづれにいても進行するとどんどん身体が膨らんでいき、目が飛び出すこともあります。
進行し続けると、やがては死に至ってしまします。
ピンポンパールの様な「パールスケール」の場合、鱗は松かさ状に逆立たずに水膨れ状になりますので「水泡症」と呼ばれます。
また金魚のみならずグッピーやプラティなどの熱帯魚にも発症する病気で、うちのプラティも罹ったことがあります。
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《松かさ病の原因》
エロモナスハイドロフィラという細菌の感染が原因ですが、肝臓の障害や消化器の機能低下による浸透圧異常でも発症する場合もあります。
両方が原因の場合もありそうで、また他の原因の可能性も解明されておらず、まだまだこの病気の発生に関しては研究途上の様です。
どうぶつ出版川田洋之助著「新版金魚の医食住」(2007年発行)によりますと、鱗の逆立ちは鱗の生え際にある「鱗嚢」に水溶物が溜まることで発生するとのことです。水溶物の正体は調べきれませんでした。
兎にも角にも未だ決定的な原因は不明と言っていいでしょう。
【松かさ病の治療法】
ネットでも情報が溢れかえっていますが、メジャーなところとして「日本動物薬品株式会社」さんホームページの「マツカサ病」項をリンクさせて戴きます。
信頼できると言うかちゃんとした組織等から発せられる情報ほど治療に関する記述がシンプルな様な気がします。
立場上怪しい情報は載せれないし、かと言って詳しく解説できるほど決定的な情報も無いと言うことでしょうか?
有名な専門店「金魚一道(きんぎょひとみち)」さんのHPにも松かさ病の解説がありますが、超一流のお店でも写真の様に病気が進行してしまえば治療不可能なほど恐ろしい病気です。
《初期なら治療可能》
白点病や尾ぐされ病ほど簡単ではありませんが、「少し鱗が浮いてる」「ピンポンにちょっこっと水膨れが出てる」様な状態なら、初心者でもなんとかなります。
ただ、これは本当の「松かさ病」ではないのかもしれませんね。ピンポンの水泡も外傷(スレ)で出ることがありますし。
ただ、外傷だろうがエロモナスだろうが、この症状からどんどん「本当の重症松かさ病」に進行することは多いですので、兎に角初期発見・初期対応が大切です!
食塩浴や弱い薬の投入
水換えして、0.5パーセント食塩浴で回復する場合も多数報告されています。またその時に「フレッシュリーフ」等の弱めの薬を併用してやるのも良いと思います。
ごく初期段階で内臓も全然大丈夫な個体は回復可能な様です。
もう少し強い薬を投入「グリーンFゴールド」顆粒かリキッド
心配ならもう少し薬効の高い薬の使用です。
できればちゃんと隔離して「グリーンFゴールド顆粒」(粉状)か「グリーンFゴールドリキッド」(液体)を投入して下さい。
「顆粒」は前にご紹介したスプーンで「水10リットル当たり3杯ちょい」。微小計量できればベストなことは言うまでもありません。
「リキッド」は「水10リットルに対して10ml」で比較的計量が容易です。
両者ともにエロモナスに効きますが、ベースの薬剤は異なりどちらが良いかは不明です。
分かりにくい画像ですが、左側に写っているポツポツのピンポンパール程度なら治る場合が多いです。
外傷によるもので内臓のやられた松かさ病(水泡症)でなかったのかもしれませんが、兎に角初期発見が大切です。
《初期治療で回復しなければ観パラかエルバージュ》
観パラD
これでダメならもっと強い薬を投与するしかありません。
結構きつめで魚毒性もありますが、まずは「観パラD」でいきましょう。隔離して投与します。
動物用医薬品 観賞魚用魚病薬 ニチドウ 観パラD 30mL 熱帯魚 金魚 穴あき病 松かさ病 細菌性感染症 日本動物薬品 関東当日便 価格:2,080円 |
規定量は「水12リットルに対して観パラDを1ml」投与です。
少ない量で測りにくいですね。適当に計量している方もいれば観賞魚用のスポイトやもっと本格的な化学実験用のピペットを使う方もおられる様です。
私はこの様な100円ショップで売っている注射器を使います。
針の先は尖っていませんので安全です。注射器の針を直接薬の容器の穴に入れ吸い出して計量します。
私の薬浴水槽は水量約17リットルなので、注射器で観パラDを1.4mlくらい吸い出して投入しています。
一気にどかっと水槽に入れずに、コップ等に溶かして徐々に入れるか、スドーサテライに入れて少しずつ薬浴水槽に投入します。金魚の様子を見ながら途中でサテライトのエアポンプを切ったりして出来るだけ時間をかけて投入することをお勧めします。
その後に関しては色々やってみたり調べたりしましたが、「投入後は3日で半分程度水換えし、交換した水量分の観パラDを再度投与」を「2〜3週間繰り返す」が良いでしょう。
私のレベルでは「食塩浴やグリーンF薬浴をやったが、あまり改善せず、かと言って身体も酷く膨らんで行かない(進行しない)」状態なら、ここまでやってなんとか助けられる感じです。
観パラDを餌に染み込ませて経口投与
これでも「どんどん身体が膨らんで鱗が逆立っていく」状況であったら、内臓を治療するために観パラDを人工餌に染み込ませたものを与える方法が紹介されています。
私は何回かやってこれで治療できた経験がないのですが、この方法での完治も報告されていますのでトライする価値は十分あると思います。
人工餌を少量とり観パラDを数滴垂らします。
10分放置して染み込ませて、ピンセットで取って少量投与します。
餌に見向きもしないほど衰弱していれば食べないので意味はありませんし、身体はぱんぱんでもまだ餌を食べる元気のあった子がこれでダメになった事もあります(トドメを刺してしまう)。
皆さんもやるならご自分で情報を取って納得した上でやられることをお勧めします。
エルバージュエース
かなりきつい薬として「エルバージュエース」があります。
私もやってみましたがここまで行くと回復経験はありません。
粉状の薬です。規定量は「水60リットルに対してエルバージュエースが0.5グラム」です。
すりきり一杯で0.5グラムを計量できるスプーンが付属していて良いのですが。薬浴水量が少ないと大変です。
自己責任ということで宜しければ私は上述の写真のスプーン(付属のスプーンではありません!ご注意を!)で「水10リットルに対して1杯」でやりました。治療できませんでしたからなんの説得力もなくアテにしないで下さいね。
エルバージュが必要なくらい進行すると私はダメでした。この薬が必要になる前になんとかしたいものです。
重症時の薬浴は難しく、「重症化しているから強い薬を」となるんですが、「重症で衰弱していると、強い薬でトドメを刺す」危険性も高いです。その場合は弱い薬で始めるか、強い薬を低濃度で使ってやる方が望ましいです。低濃度で始めて様子を観て、水換え時に段階を追って規定量まで上げる(規定量の半分で開始。3日後の水換え時に少し増やす。次の水換えで規定量に合わすなど。ちゃんと計算して。)のが安心です。
エルバージュエースはメーカー推奨は「規定量で24時間薬浴」です。数日間薬浴される方も多いです(24時間では回復しない)が、きつい薬であるからこそメーカーも「24時間」と表記しているのでしょう。24時間以上継続するかはこれまた難しいです。
この辺の見極めは経験がきいてくると思い、私は何回も失敗しています。ショプやベテランの方の意見を参照されることをお勧めします。
《ココア浴》
「純ココア」を0.02パーセントから0.1パーセント添加すると効くとの報告があります。0.1パーセントなんて凄く高すぎる濃度だと思いますが。
初期にやってみて治ったこともありますが、初期なら食塩浴で治ることもあるので、ココアが効いているのか私にはわかりません。
ココアは殺菌作用や人間への整腸作用もありますので何らかの効果があるかもしれませんが、殺菌作用なら魚病薬の方が高いので、これもよくわかりません。
「ココアの殺菌作用が科学的に証明されていること」と「エロモナス菌や松かさ病に対してココアが効果的であるか否か」は本質的に無関係です。「殺菌作用が科学的に認められてるんだからやってもないのにインチキ呼ばわりするな」は成り立ちません。
どうなんですか?もし効果あるなら(効果がないと言ってません)、どこの会社でもいいですからココアの有効成分を抽出なり合成して魚病薬作って下さい。私としては科学的とかは別にどうでもよく、ココアでもなんでも松かさ病に効けばいいです。今後更に情報を取っていきたいと思います。
何にしてもココアは「特効薬」どころか「治療効果の高い療法」と言える決定的な事実も無い様です。
以上、松かさ病のことを考えるとすごく暗くなってしましますが、元気を取り戻して