金魚愛好家の皆様こんばんは。
金魚の色揚げ色落ちに関しては、底砂を敷いた場合とベアタンクの比較、好ましい底砂の色など有益な情報がたくさん入手可能です。その様な「水槽環境が金魚の体色に与える影響」に関しての数値化された実験データーがとある雑誌に掲載されていました。
かなり前に入手していたのですが、どの雑誌か忘れてしまい水槽と同様散らかってる私の部屋に埋もれている状態でした。
今回やっと見つけましたので本日はご参考までにその内容を紹介させて頂きます!
ちなみに、ちょっと前に熱く底面フィルター愛を語った私ですが今現在はと言いますとつるつるのベアタンクです。あんだけ語っといて。
ま、そんなことはどうでもいいから実験を見てみましょう!
【「底砂の有無」「底砂の色」「照明の色」で金魚の色揚はどうなるかの実験】
《「月刊らんちゅう」に掲載されていました》
今回ご紹介するのはフリーペーパー「月刊らんちゅう」2016新春号に掲載されていた記事でした。
フ、フリーペーパー…道理で雑誌色々探しても見つからん訳だ…
フ、フリーペーパー…信用できんのか?
いえ、ご安心下さい。フリーペーパーったってちゃんと責任もって記事制作や編集をされています。
しかも今回の記事はちゃんとしたメーカーの研究所がとった実験データです。
《世界のキョーリンです》
実験されているのは株式会社キョーリンの山崎研究所の方で誌面では実験者実名で投稿されています。
実験は「色揚げ飼料を与えても色が揚がらない場合があり、これは水槽環境によるものと推測されるので実験する。」というものです(今回は適当に「色揚飼料でも揚がらない条件=色落ちする条件」と考えます)。
世界のキョーリンです!スペースシャトルに乗って宇宙に行ったキョーリンです。
スペースシャトルコロンビアに乗って宇宙に旅立った「コスモ」「元気」「夢」「未来」と名付けられた四匹のメダカは無事に宇宙空間で産卵。孵化も成功!無重力下で始めて繁殖した脊椎動物となりました。この時にコロンビアが持っていったメダカの餌がキョーリン開発の「Hikariおりひめ」です。
いやしかし四匹のメダカの名前はいいですね。
私にはこの4つのうち一つもないですわ。あと「健康」とか「お金」とか「地位」もないかな。あるのは「体重」とかでしょうかね。おりひめもおらんし。あー羨ましい。
私が名前つけたら「ヘル」「ねたみ」「ひがみ」「いかり」とかになりそうです。どうでもいいけど。
宇宙でHikariおりひめをついばむメダカの動画です。やっぱり無重力だと気泡が真ん中にどんっとありますね。
ご興味がある方は「キョーリン宇宙への挑戦」をご参照願います。
話はそれましたが兎に角キョーリンはすごいんだったらすごい!だからフリーペーパーでもいいんです!
【水槽環境の前に「色揚飼料」について】
《色揚げ効果を高めた飼料》
実験の前提が「色揚飼料を使っても色が揚がらない要因は?」ですから色揚飼料に関して少し調べたいと思います。
これはキョーリンの「咲ひかり」シリーズ最強の色揚効果を持つ「咲ひかり 艶姿」です。メーカーHPに使用した場合の色揚効果(金魚の赤色・黄色を測色計で測定)のデーターが載ってます。
色々聞いたり調べたりすると「色揚飼料」に関してはバクテリア剤の様な曖昧なものではなく、ちゃんと効果があるようです。
《注意点》
[色揚がりすぎ注意]
強力な製品は、色が不自然に揚がりすぎたり、「変なとこまで赤くなっちゃう〜」になる可能性ありです。
丹頂のプラチナが赤みを帯びたり更紗の白が黄ばんだりは嫌ですやん。
[消化悪い場合注意]
消化が悪い製品もあり、キョーリンも艶姿は水温18度以上での使用を推奨しています。
[強力な製品は混合で使用]
色の揚がりすぎリスクや消化が悪い製品があることはメーカーも認めており、その場合は通常の餌との混合を推奨しています。
「艶姿」を例にとりましたが、製品の注意書きを良く読み単体で使用すべきでない製品は普通餌と混合して与えることが必要です。(もちろん単体で使用可能なマイルドな色揚飼料もあります。)
私なんかホームセンターのワゴンセールで艶姿が激安だったので「おー。色揚だろうがなんだろうが関係ねー。安いー」と買ったはいいが、説明書き読んでびっくりです。
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【実験の方法と結果】
ようやく実験です。いずれも「色揚飼料を与えての比較」です。
《底砂ありとベアタンクの比較》
[実験方法]
和金を使い、砂利(大磯)を敷いた水槽とベアタンクで比較しています。「集中濾過」とありますから両水槽は繋がっていて同一水質でしょう。
同一の色揚飼料を与えて水温25度飼育で、一カ月後の色揚げの結果を考察。
[結果]
予想通り砂利を敷いた方が色が揚がっています。
金魚の色は写真では明らかに差があります。これだけ見ると差は歴然ですが、厳密に背景を見ると砂利を敷いた方の写真に比べてベアタンクの方は色調が明るく(白く)写っておりカメラの「露出(設定)」が同じだったのか不明です。
しかしご安心あれ。色を測定して数値化する「測色計」の測定結果が掲載されています。
数値的にも明らかです。
こんなのかな?
[疑問点]
検体数はこれでいいのか?どうなんでしょうね。私は専門家ではないですが学術的な実験ならば少ない気もしますが。
多分良いんでしょう。別に学会論文じゃないんだから、今まで色々実験されてきて、この匹数を比べれば大体の優劣が判断できるということだと思います。
また測色計で測定していますが、これ金魚のお肌を直接測定したんですよね?ですよね。まさか写真の色を測定したんじゃないですよね。
先ほどの色揚飼料でも数値が出ていますからこれは金魚を直接測定した数値に違いありません。
《底砂ありとベアタンクとの比較での強い疑問点》
実験はまだ続きますが、ここで強く感じた疑問点をあげたいと思います。
[底の黒いベアタンクはダメなのか?]
このベアタンクは底が白色です。底が黒いベアタンクならどうなんでしょうか?
枠ありで底が白い水槽は多いですが、底が樹脂製で黒い水槽もありますよね。
また、最近主流と言っていいオールガラス水槽の場合は水槽用マット(2〜5mm厚のウレタン等の弾力性のあるマット)を敷いた上に水槽を置いたら底は黒くなります。
その場合はどうなんでしょうか?
底は黒くなります。
[光の反射がダメなのか?]
黒くてもガラスが光を反射しているとダメなのか?
ならば底につや消しの黒色塩ビ板等を敷けば解決するのか?
黒の0.5mm厚塩ビ板にサンドペーパー(細目)掛けしてツヤを消したものを「水槽内の底」敷けば色落ちを防げるとの実績があります。
もし反射が問題なら同様に色揚げ色落ちに関係があるとされるバックスクリーンも水槽の外から貼れば光は反射します。
水槽の内側に貼るべきなのか?バックスクリーン面は角度的に上部からの照明をモロに受けないので良いのか?
等々疑問は尽きません。
しかし概ね、ベアタンクかつ白色の底は色が揚がりにくい=色落ちしやすいと言う一般的な考えに間違いはない様です。
《砂利の色による比較》
[実験方法]
底砂の色を「白、赤、大磯」にしての比較です。
実験条件は先の実験と同様です。
[結果]
これは三水槽並べて一発で撮影していますので、写真でもかなり実際の見た目に近いと思います。
白色が悪いのは予想通りですが、赤と大磯では差がないです。
うーむ。赤い砂利も良いのか、、、
白系じゃなければ良いのかな、、、
五色砂は白が入ってるからダメなのかな、、、?
《水槽内の色(照明)による比較》
[実験方法]
水槽上部のガラス蓋に「青、黄、赤」のセロファンを貼って水槽内の光の色を変えて一ヶ月後の色揚の変化を見る。
琉金を使っている以外の飼育条件は先の実験と同様。
なぜか琉金に変わる
[結果]
青が低い数値を示し、黄色と赤は同等でした。
青色悪いのかよ?!
《水槽内の色の比較での強い疑問点》
[バックスクリーンは関係するのか?]
「水槽内の色」とありますが、このデータでバックスクリーンの色調の影響を考察することは可能なんでしょうか?純粋に「照明」に関する考察でしょうか?「主に照明が水槽内の色調を決めるがバックスクリーンも光の反射等で影響を与える」ってな感じなんでしょうかね、、、
[主に流通している水槽ライトとの関係は?]
現在、主に流通している照明(メタハラ等は除いたLED照明)は、白、青、赤、桃、紫とかですよね。或いは「白・青」や「白・青・赤」の組み合わせ。
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白の照明は色としては「無色」です。一番明るく感じるので白色使う人も多いですよね。
なんで白をやってくれんのよー。「白、赤、青」やってよー
ただ、最近流行り?の光の透過度の高いガラスを使った「クリアガラス水槽」では白色の照明は強さや条件によっては水が黄色く見えることがあります。その場合「青色」の照明を足してやれば見た目は「無色」に近づきます。
私のもクリアガラスですが、ゼンスイの「白色ライト」だけでは黄色く見えてしまい、「白青混合ライト」を足してやると無色な感じになります。
無駄にクリアガラスにしたから無駄にライト二本になってやんの、、、
ですから上記実験の「黄色セロファン」は照明の「白」を想定しているのでしょうか?
うーん。あくまで光の見え方の問題で実際に金魚が浴びる光の周波数は「無色なら無色」「黄色なら黄色」でしょうから違う様な気もします。不勉強でわかりません。機会があれば調べてみます。
[青水はあかんのか?!]
青色がダメって青水ダメなの?
いや青水はいいでしょ。
青水って言ったって緑系や茶系とか色々あるみたいですけど。
青水は私の憧れです。いつかはやりたい。づらっと船を並べての青水飼育。
日光が当たると違うのかもしれません。人間の目には青く見えているだけで金魚の浴びている光の周波数が青系ではないのか?
もう。もう。
わけわかりません!!!
どうでもえー!!!!!
【わかったことや思ったこと】
《先人の言葉は正しい》
とにかく底が白いと金魚の色に影響が出るという先達の経験を数値化してくれたことは、伝統や情報に安心感が加わりますからありがたいです。
ベアタンクも黒色シートを水槽内に敷けば問題ないことがベテラン飼育者や専門店から報告されており大丈夫でしょう。
更にベアタンクでも水槽用マットで黒くなっていればガラスむき出しでもそれほど問題が出ないんじゃないかとも思います(適当ー。もうやけくそ)。
《青い船で青水は良いに決まってる》
青い光の影響に関してはどうなんでしょうね。
少なくとも青いトロ船でお日様をいっぱい浴びて青水で元気に育った金魚の色は素晴らしく揚がっていることが多いです。赤は赤、白は白、墨も浅葱も自然に美しく仕上がっている。
これは事実ですから青がどうのこうのと気に病む必要はないと思います。
屋外で青水飼育するのは私の夢ですねー。宇宙メダカの名前である「夢」は私にもあったんだなと思いました。
《実験データーの提供に感謝致します》
今回の実験結果をフリーペーパーという形で提供して下さった月刊らんちゅうとキョーリンさんには心から感謝の意を表させて戴きます。ありがとうございました。
様々な実験やらんちゅうの品評会情報など内容盛りだくさんだったフリーペーパー「月刊らんちゅう」ですが!
廃刊しました!